紡錘体は細胞分裂の時に発生し、その赤道上に染色体を有しています。

細胞分裂には、受精後に細胞の数を増やす体細胞分裂と、配偶子(精子と卵子)を作る減数分裂があります。減数分裂には第一減数分裂と第二減数分裂の二回の分裂があり、その後に精子や卵子が形成されます。この二回の減数分裂で、精子は4匹形成されますが、卵子は1個だけ作られて、その都度第一極体、第二極体を放出します。

成熟卵胞が排卵するときに、卵は第二減数分裂の途中(中期)で止まっています。それが受精した瞬間から再起動(卵子活性化)して減数分裂を完了するのです。

“紡錘体と顕微授精”の項で書きましたが、放出された第一極体(第一減数分裂で出来たもう一つの細胞)の近くの細胞質の中に紡錘体はあります。ところが稀に(25%程度頻繁なことが分かってきました)紡錘体が第一極体から離れたところにあることが分かってきたのです。このことは、紡錘体の損傷を避けるために第一極体を確認しながら行っている従来の顕微授精には、かなりの確率で染色体を損傷する危険が潜んでいることを示しているのです。そこで偏光システムを導入して、紡錘体を確認してから安全な顕微授精をすることが是非とも必要なのです。

ところでこの偏光システムによる紡錘体観察により、良好胚盤胞発生率や妊娠率の高い卵の選別が可能になってきました。顕微授精を行う予定の卵の1〜2割は、偏光システムを使用しても紡錘体を確認することができません。また、確認できた紡錘体がクリアでなかったり小さい卵もあるのです。それは採卵された卵が第一減数分裂を済ませて第一極体を放出していても、いまだ未熟(第2減数分裂中期にまでは至っていない)であったり、あるいは紡錘体の赤道上に並んだ染色体配列の乱れなどによる、偏光の反射異常が発生するからなのです。染色体に何らかのトラブルがあれば、正常な胚発生を望むのは難しくなることでしょう。

ここまで読まれたら、既にお分かりでしょうが、紡錘体が大きくクッキリと輝いて見える卵が妊娠率のより高い卵なのです。

   


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