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| 妊娠率向上を目指して | ||||||||||||||||||||||
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妊娠率を上げるためには 2.良好胚を確保する 3.着床条件を整える 4.早期胚移植と胚盤胞移植を組み合わせることなどが大切です。 1. 良い卵を採取する 良い卵を多く採取するために、最適な方法はロング法です。ロング法が最も妊娠率が高い事もすでに明らかになっています。 しかしながら、ロング法で上手く行かない患者さんが存在するのも事実です。その方たちにはケースバイケースで、患者さんに合った方法をとるのがベストです。 一般的にはショート法が最も卵が育ちやすい訳なのですが、Gn−RHの使用に拘らず自然周期やアンタゴニストの使用も考慮します。HMGの使用で上手くなければ、クロミフェンで誘発するのも一法です。 そして卵の育ち具合に合わせて、より良いタイミングで採卵するのです。良い卵を採取するためには、患者さん一人一人に合った方法で卵を育てる工夫も大切なのです。 培養条件を改善して最適の条件下に培養します。培養器は、温度、湿度、CO2濃度などのチェックを頻回に行い、扉の開閉に注意して安定した庫内環境を確保します。受精卵に与える体外培養の悪影響が減少して、良好胚が多く得られます。 高齢の患者さんや凍結保存した受精卵では透明帯が厚く・硬くなっていてハッチング(孵化)しにくくなっています。そこで透明体にレーザー光線を照射して膜を薄くします(レーザーアシステッドハッチング)。この方法はレーザー照射がコンピューターでコントロールされているので安全で正確に行われます。今まで原因不明で妊娠出来なかった方も、受精卵がハッチングし易くなって妊娠率が上昇します。 また、顕微授精をする際には紡錘体をしっかりと確認します。紡錘体の中には染色体があるので傷を付けてしまうと大変なのです。ところが顕微授精に通常使われている顕微鏡では、この紡錘体が見えないのです。そこで大切な紡錘体を確認するために、偏光システムを使うのです。 偏光を複屈折させると紡錘体がオレンジ色に輝いて見えます。しっかりと紡錘体を確認することで安全な顕微授精が可能になり、良好胚が多く得られて妊娠率も上昇します。 妊娠率を上げるために最も大切なことは、如何に上手に胚移植をするかということです。 そのためには細心の注意を払って胚移植を行います。良い器具を使用することも大切です。 そしてさらに、予め胚移植の予行演習を行っておくことが、胚移植困難患者さんにとってとても重要なのです。私たちはARTを計画した時点で胚移植を考慮しており、事前チェックをしています。また採卵時にも再度カテーテルの挿入テストを行い、移植時の弊害を極力減らすよう努めています。このことが高い妊娠率を確保するために大きな効果を生み出しています。 また薬物療法として、胚移植後には着床条件を改善するために黄体ホルモンだけでなくプレドニン、アスピリン、ビタミン剤、漢方薬、子宮血流改善薬など様々な内服治療を行っています。これらの薬物は、胚移植時に期せずして与えてしまった子宮内膜への悪影響をも静めてくれるのです。 4.早期胚移植と胚盤胞移植の組み合わせ 近年、受精卵を胚盤胞まで体外培養する技術が発達し、胚盤胞における胚移植あたりの妊娠率が50%前後と高い事より胚盤胞移植が行われるようになってきました。ところがこの技術はいまだ未完成の部分も多く、培養の途中で死滅してしまう受精卵が半数に達しています。そのため自然周期で採卵はしても、移植できない事も多くあるようです。 当院では以前よりロング法で採卵し、早期胚移植を行って好成績を収めてきました。さらに、早期胚移植で妊娠できない方には胚盤胞移植を行うことで妊娠される方も多く見られています。 また、採卵後2−3日目の観察でグレードの良し悪しに関わらずどの受精卵が早期胚移植に適し、またどの受精卵がより良く胚盤胞まで発育するか等の状況が分かってきました。 そこで現在当院では、受精卵が複数個確保出来た際に、そのうちの一個を新鮮早期胚移植し、余剰胚の内一個を早期胚凍結保存しております。さらに余剰胚がある場合には、その全てを胚盤胞まで培養を続け、胚盤胞になった時点で凍結保存するように患者さんに勧めています。 つまり、受精卵が三個以上あった場合には、それぞれの受精卵の状態に応じて、最良の方法で計画的に受精卵一個ずつの対応を決める事が妊娠率向上に大切なのです。 この方法で多くの方が新鮮早期胚移植を行い、凍結早期胚と凍結胚盤胞の確保が出来ております。その結果、それらの胚を順番に移植することによって以前にも増して高い妊娠率を得ることが出来ると考えております。
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