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| 不妊治療の基本方針 | |
| 「不妊症治療にはお金と時間がかかる」とよく言われます。これは大変な事だと思います。しかし、根気良く続ければきっと妊娠できますので、気長に頑張っていただきたいと思います。
当院にみえる不妊症患者さんにはいろいろな方がおります。 結婚してまだ1年程度の方、2〜3年経った方、5年も10年も妊娠できない方、 結婚して間もないが年齢のいっている方、あちこちの施設で不妊治療を受けたが妊娠できないで悩んでいる方、妊娠はするが流産してしまう方、などさまざまです。 そしてまた、その不妊治療に対する考え方も10人10色で、軽い気持ちで来院された方から、何が何でも妊娠したいと思ってらっしゃる方まで千差万別なのです。 私たちは、その患者さんの立場を理解してその方にあった治療をしなくてはなりません。 妊娠の成り立ちのところで述べた(1)〜(10)のどの部位に異常が生じているのかを知り、治療するのが本来の不妊治療のあり方です。 でも多くの人達は、軽い治療で妊娠することを望んでおられます。 |
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仮に、卵管のまわりに癒着があって妊娠しない患者さんであっても、 いきなり「手術をしましょう、あなたは体外受精ですよ」といってみても患者さんは驚いてしまいますし、そのような治療を希望しないのです。 そこで私達は始めは楽な治療から開始し、妊娠しなければ次第にステップアップすることにしています。 つまり、それぞれの患者さんに対して、できるだけ簡単で軽い治療法で妊娠が成立するように心がけることを基本方針にしたのです。 |
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ここで、皆さんにお願いしたいのですが、不妊治療にあたり、自分達夫婦がどの程度、子供を望んでいるのかをあらためて考えて欲しいのです。 治療をしてもなかなか妊娠できなかった場合、人工授精をしたり、腹腔鏡手術をしたり、あるいは体外受精をしたりしても赤ちゃんが欲しいのか否か。 あるいは、そんな治療をするくらいなら、妊娠をあきらめてしまうのか、という事を夫婦でよく相談して欲しいのです。 |
ところでそれぞれの患者さんに対する必要最小限の治療方針を知ることは結構難しいもので、いろいろな検査をしなければなりません。 不妊症患者さんが外来に来られたら、妊娠にどうしても必要な条件、つまり男性に精子があること、女性が排卵すること、卵管に通過性があることの3つを含め、 まず簡単にできる不妊症の検査を行ないます。 それは血液による貧血、肝臓、腎臓の機能検査、ホルモン検査、クラミジア感染症の検査と、子宮卵管の造影検査、そして、ご主人の血液や精液検査などです。 そして、妊娠するためには、排卵日の周辺に夫婦生活の機会がなければなりません。 ところが不妊症患者さんは排卵日が不規則であったり、その他の理由で排卵日にうまく機会の持てないカップルが多いのです。 そこでまず治療の第一歩としてタイミング指導をするのです。それには薬や注射でよりよい卵を育て着床条件を整えながら、超音波により細胞の発育状態を把握して、血液や尿検査で排卵を予測するのです。 6ヶ月から1年間、この方法を行ないますと多くの方が妊娠されます。 これで妊娠しなければ、通常の夫婦生活では妊娠できない不妊原因の存在を考慮して、次のステップに入ることを患者さんに勧めます。 もちろん、初めの検査で異常が見つかっていたカップルに対しては、あらかじめ次のステップの必要性について説明しておく訳です。 次のステップとは人工授精による治療や腹腔鏡による検査や手術、HLA検査、リンパ球輸血による免疫性不妊症の治療などを行なうことです。 不妊期間の長い方や、他院で治療を受けたが妊娠せずに来院された方などは、いきなりこの段階に入る場合も少なくありません。 それでは次に具体的な治療についてふれたいと思います。 |
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